ブランドに関連する視覚と嗅覚の感覚体験
「顧客に複数の感覚体験を提供すると、商売に有利に働く」というトピックについて、実際の実験や具体的に導入する際の切り口をご紹介しています。
ブランドに関連する視覚と嗅覚を合わせた実験
ブランドに関連する視覚と嗅覚の実験として脳をスキャンして「脳領域のどこが活発になっているのか」といった調査が行なわれています。
※ニューロコ社
以下の報告のように、視覚だけの場合と比べると「視覚と嗅覚を同時に体験できるブランド」が高評価を得られやすいということがわかりました。
ブランドに関する画像は以下のとおりで、それぞれの匂いについて9段階の評価をしてもらう。
- ジョンソンアンドジョンソンンのシャンプー
- ダヴの石鹸
- 世界的に知られるファストフードチェーンのメニュー
3の実験の例としてはフィレオフィッシュサンドイッチの画像の時にレモンのさわやかな香りを嗅ぐようなケース。
この場合ファストフードの画像と関連する匂いを嗅ぐという「感覚体験の同時体験」が起こり、視覚と嗅覚が連動、画像と香りが別々に評価される場合よりも高い評価が得られやすかったと報告されています。
実験を通して結論付けられたポイントは以下の通り。
- 画像と匂いを別々に嗅いでもらう場合: ほぼ同じ評価がつけられた
- 画像と匂いを同時に嗅いでもらう場合: 1より魅力的だと評価された
- 魅力的な香りと画像が組み合わさると、心地よいだけでなく、鮮明に記憶される可能性が高くなる
- 視覚と嗅覚の同時感覚体験は、”心地よいと感じる右内側眼窩前頭皮質”をはじめとした脳のさまざまな領域を活性化させる
ファーストフードのような食品に関しては、匂いがあった方が圧倒的に売り上げに貢献するというのは大方予想が付くものですが、シャンプーやせっけんなどにおいても同様なことが言えるという点が興味深いです。
ブランド・お店の商品やサービスに関連する香りを活用すると有利
上のような視覚と嗅覚の同時感覚体験について、商業施設で実現できそうな事例としてカーディーラーで考えてみたいと思います。
これらは車によって得られる感覚にフォーカスしているだけですが、1と2は試乗を促す仕掛けとしても考えられ、購入の意思決定要素になり得る重要な流れを効果的につくり出します。
実験をオフィスで試してみたい場合
弊社では上のように実際行われたマーケティングのエビデンスを重視し、さらに天然の香り成分についての科学的根拠をベースにした調香で商業施設にアロマ空間デザインを施工しております。
ご興味いただいた会社様に香りのテスターをお送りするなど行っておりますので、お気軽に下記にてお知らせください。
■参考書籍:
Martin Rindstrorm
- 五感刺激のブランド戦略
- Buy・ology
- Brand Washed
- 博報堂 「五感」の時代