
Editors Note Aug2025
Prestige signiture guild Chronicles
秋田県道56号線のホンダカーズ秋田泉中央店は、県内の自動車ディーラーが密集する激戦区です。
今回ホンダモビリティ東北秋田統括長 大場浩二様に御時間を賜り、ブランド価値の再構築についてお話をお伺いしました。その言葉の数々はコスト至上主義が席巻する現代ビジネスにおいて、真の差別化にあります。
新型Preludeのほか、軽自動車の王者が軽EVの王者となるN-ONEの動向も注目です。
Contents
ホンダ車を憧れの車に

2025年9月5日発売新型Prelude 出典:ホンダメールニュース配信より
このハッと思わず二度見してしまうような存在感、24年ぶりの新型プレリュードは2シーターで「操縦する喜び」が実感できる
ブランディング強化:激戦区の中で生まれた視点
ホンダ車の歴史は「男性の憧れ」と言えるS2000・NSXといった、走りのイメージを代表する名車ばかり。
統括長はこの輝かしい数々のレジェンダリーな車に言及しつつ、ブランドの本質的価値を「空間体験」を通じて顧客に想起させるというアプローチに見出しています。
ホンダのF1にあるように、男性の憧れの対象となるような爽快な走りをイメージさせるブランディングに力を入れて行きたいと思っています。
ショウルームでは季節ごとにさまざまな演出を行っています。夏なら夏らしいバルーンアートを設置すると通りかかる方も見る人が多いですし、実際にお店に入って見てみようかなといったようになりますから。

※こちらイメージとなっています
ホンダ車がかつてS2000やNSXで具現化した「走りの楽しさ」というブランドの核となる価値を、現代の顧客にどう継承するかに向き合われているかが分かる言葉です。
それ以外にもブランディングにはいろいろな方法があり、店内にBGMを流すだけではありません。
好みはあると思いますが香りがふわっと漂うお店は居心地がよく、天然の香りで不快に感じる人はいませんし女性は特に好きな人が多いです。何かあったらあのお店に行ってみようかなという雰囲気つくりに、香りの演出はいいといます。
新車開発サイクルでは3年の年月を要するのが普通ですから、その間に他社が新しい車を出してくるとなると、他で差別化が必要になります。

向き合われた中で生み出された一つのアクションが、「爽快な走りという情緒的価値を、ショウルームでの体験を通じて想起させる」というアプローチです。香り演出は性能では伝わり切らない体感や爽快感の想起を促す役割を果たすツールとして位置付けられています。
実用性だけではない、車に対する「情熱」や「憧れ」で結びつく新たな顧客セグメントへのアプローチを示され、差別化を図る意図が明確に感じられる戦略です。
統括とのお話で思い出したのが、元ナイキマーケティング部長・スターバックスマーケティング副社長・スコットベドベリの言葉でした。
ブランディングの中核は顧客とのあいだに商品やサービスを超越した情緒的なきずなを築くことにある。経済評論家たちがナイキやスターバックスを研究してこんなやり方は無謀で長続きするはずがないと言っていた。私たちが目を向けていたのは消費者が住む世界だったし、長続きしなかったのは古い体質のマーケティング活動の方だった。

スコット・ベドベリが説く『商品を超越した情緒的きずな』は、統括の目指す『何かあったらあの店に行ってみようかな』という顧客心理の構築そのものです。
香りは車という『商品』を売るための手法にとどまらず、店舗と顧客の間に『きずな』を生むための装置であり、天然の香りは居心地の良い体験や記憶に変えます。
ナイキのシューズは靴であり、スポーツするときの衝撃を緩和するクッショニングの機能は秀逸ですが、提供されているのは一貫してスポーツをするときの喜びや歓喜。
喜びや歓喜ですから、ブランドの核は靴や鉄鋼のような形のあるモノではなく、無形の日常的な一つ一つのささいな言動や働きかけによって形つくられ、実はカウントしたり定義することすら不可能に近いものです。

同社では、来店客の満足度を測るため、店舗の居心地の良さについてスマートフォンを活用したアンケートを実施されているとお聞きしました。香り演出が居心地の良さやお店での滞在の評価へどのように貢献するのか、その効果測定の行方にもぜひ注目していきたいと思います。
最近は女性だけでなく男性も日常に香りを取り入れる人が圧倒的に増えており、男性顧客の声も楽しみです。
エリア統括としての決断:「コスト削減至上主義」からの脱却

今の時代は世界中の自動車業界でコストダウン至上主義になりがちです。車の内装一つにしても、質感一つで満足度はかなり違って来ます。コストダウンすればいいものでもありません。お金かけずにお客様呼びましょうでは限界もあります。
一方でお金を使えばいいというものではありませんが、お客様がよろこんでくださったらそれでいいのです。
家族・知人友人・同僚など人の関りで楽しく過ごしたいという思いがあると、それに比例してお金をかけて楽しい時間を過ごしたいと思うのは自然なことでもあります。
カーディーラーで行われる定期点検は顧客が安心を担保する行為であると同時に、これを継続することは持続可能な経営の根幹を成すサービスです。顧客満足への積極投資の考えでスタッフ様と対話を重ねていらっしゃったのも印象的でした。
ブランディングはお客様・ユーザー・従業員など大切な人にとって何者であるかを問い探ることにあり、この探求には「人に喜んでいただきたい」とか「社会貢献」の思いが含まれています。
統括の核心的なメッセージ

有能なビジネスマンは「自社の商品やサービスを超越した、顧客との情緒的きずなは何で築けるだろうか?」と考えているかもしれません。今回お伺いしたお話は、激戦の中での差別化やコストダウン至上主義への向き合い方など多くのビジネスマンが直面するトピックでした。
激戦区において他社にはない『居心地の良さ』という究極の差別化要素を創造し、カーディーラーらしさで自発的な来店を促す、これは目先のみならずブランドの未来を見据えた経営戦略であり、長く記憶に留める積極投資です。
また、コモディティ化が進む市場では製品そのものの差別化が難しくても、顧客体験で差別化を図ることが可能であることを教えていただきました。
そして顧客視点に立った投資の重要性を説く、統括様の深い洞察力とリーダーシップが浮かび上がってきます。当たり前のように成果を早く問われる現在、ホンダ車がホンダ車たるゆえんに着目され、戦略を打つ統括の英断は現代のビジネス環境において非常に示唆に富むものだと感じます。
軽の王者が軽EVの王者になる予感

こちらは山形嶋店様でのN One e: 展示車です
ホンダ車が軽自動車市場で確立した王者としての地位は、N-ONEを筆頭とするEVラインへと継承されようとしています。従来までは軽自動車は女性の愛用者が多かったですが、昨今はご家族で乗る車として定着しつつあり、N-ONEは男性ユーザーも大変多いです。
「N-BOXは1ケ月で30台売れることもありますが、EV車N-ONE(N-ONE e:)はまだまだ分かりません。」と控えめなお言葉でしたが、 EV車N-ONEは特に若年層世代が欲しいと思えるデザインがストレートに具現化されており、Youtubeのレビュー動画を見ても男女問わず高評価です。
Advantege:N-ONE e:
- 他社軽EVとの優位性:バッテリ‐の総容量がおよそ1.5倍・高速充電時間は4時間
- バッテリーは7割になった時点でメーカー保証対象
- 税金面:軽自動車ならではのリーズナブルさ
- 海外EVとの優位性:日本製の安心感とフォローアップ体制
- 操作の軽快さ:車庫入れが苦手な方にも操作しやすいハンドリング
同社の秋田エリア一帯に香り演出サービスをご提供させていただいている弊社は EV車N-ONEのポップなイメージと、ショウルームに入った瞬間から明るく爽快なイメージを想起する香りの相性はぴったりだと実感しております。
そして泉中央店山中智弘店長よりいただいた「香りについて不満に思う人は一人もいない。これからも活用させていただきます。」とのお言葉、大変嬉しく励みになります。ホンダ車のブランドの未来と、秋田エリアの更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
大変お忙しい中お時間を頂戴しましてありがとうございました。9月5日に発売されるPreludeは24年ぶりのリニューアルで、この動向も目を離せそうにありません。
※出典:Amazon
参考文献:Scott Bedbery, Stephen Fenichell Brand Marketing